スープカレーは札幌のソウルフードであると同時に、店ごとの流派が明確な「系譜の料理」だ。スープの質感で大きく2つ、出汁の方向で3つ。地図を頭に入れてから巡ると、この街の奥行きは一気に増す。

まず系譜を知る

源流のひとつは薬膳スープを出した喫茶店にあり、サラサラと澄んだスープに香辛料を重ねる系統が生まれた。もう一方はトマトや鶏ガラでコクを構築するトロミ系。近年は和出汁や甲殻類出汁の第三勢力が台頭し、味の幅は過去最大になっている。

サラサラ系の必食2軒

澄んだスープにスパイスが立つ正統派は、辛さを上げても味が崩れないのが特徴だ。鶏レッグが箸でほどける老舗と、薬膳の香りを現代的に整えた新鋭。どちらもライスを「スープに浸す派」で食べたい。

注文の基本は辛さ3〜4番から。初回から最辛に挑むと、スパイスの層が辛味に塗り潰されてもったいない。

トロミ系と第三勢力

トマトベースのトロミ系は、ブロッコリーや揚げごぼうなど野菜の存在感が際立つ。エビ出汁の店は〆のリゾット風まで設計されており、一杯の中に起承転結がある。

  • サラサラ薬膳系: 辛さ耐性がなくても楽しめる
  • トロミ・トマト系: 野菜が主役
  • 和出汁系: 夜の〆にも合う
  • エビ出汁系: リゾット〆まで一直線

巡礼の実務

人気店の昼は30分待ちが標準なので、開店15分前到着か14時以降が賢い。多くの店が冷凍スープの通販を始めており、旅の後も「あの一杯」を再現できる時代になった。まずは現地で、スープの湯気と一緒に味わってほしい。