コンビニコーヒーの実力は、この10年で専門店の背中が見えるところまで来た。だが各社の味の方向性は驚くほど違う。先入観を消すため、6社のホットコーヒー(Mサイズ相当)を銘柄を伏せて飲み比べた。協力はコーヒー歴20年の焙煎士を含む5名のパネルだ。

検証の方法

同日同時間帯に6社の店舗で購入し、温度が揃った状態で提供。評価軸は香り・酸味と苦味のバランス・後味・コクの4項目で各5点満点。価格は120円から240円まで幅があるため、最後に「価格込み満足度」も算出した。

1位は「香りの設計」で勝った

総合1位は挽きたての香りが圧倒的だった大手チェーン。豆のグレード以上に、抽出直前に挽くマシンの設計が効いている。2位は深煎り路線の一社で、ミルクを入れたときの完成度はむしろ1位を上回った。ブラック派とラテ派で推しが分かれる結果だ。

最下位グループも「まずい」わけではない。方向性が万人向けの中庸に寄りすぎ、印象に残らないことが減点要因だった。

  • 総合1位: 香り 4.8/5(挽きたて設計)
  • 2位: 深煎り・ミルク適性 No.1
  • 価格込み満足度1位: 120円の老舗チェーン
  • パネル一致率: 上位2社で80%

価格込みなら勢力図が変わる

「価格込み満足度」では120円を維持する老舗チェーンが逆転で首位に立った。240円の最上位機種との差は確かにあるが、毎日飲む一杯としての完成度はすでに十分。値上げラッシュの中で据え置きを貫く企業努力は、味以上に評価されるべきかもしれない。

マシンの進化が次の主戦場

各社の次期マシンは抽出圧の可変制御を搭載し、豆ごとの最適抽出に向かう。つまり来年はこの順位がまた入れ替わる可能性が高い。コンビニコーヒーは今、日本でいちばん進化の速いコーヒーだ。