2026年6月14日、在留カード等とマイナンバーカードの機能を1枚にまとめた「特定在留カード等」の運用が始まりました。出入国在留管理庁によれば、対象は住民基本台帳に記録されている中長期在留者と特別永住者で、取得は任意です。同じ日から、一体化しない在留カード・特別永住者証明書も新様式に切り替わりました。本記事は入管庁とマイナンバーカード総合サイトの公表資料に基づく整理で、窓口での運用実態までは検証していません。

特定在留カード等とは何か

出入国在留管理庁によれば、特定在留カードとは「マイナンバーカードとしての機能を付加するための措置が講じられた在留カード」、特定特別永住者証明書とは同じ措置が講じられた特別永住者証明書を指します。2つをまとめた呼び方が「特定在留カード等」です。根拠は特定在留カードが出入国管理及び難民認定法第19条の15の2、特定特別永住者証明書が入管特例法第16条の2で、番号利用法等の適用についてはマイナンバーカードとみなされます。

これまで両方のカードを持つ人は、在留に関する許可や届出を地方出入国在留管理局で済ませたあと、マイナンバーカード側の情報を更新するために市区町村の窓口へあらためて出向く必要がありました。入管庁は、特定在留カードの交付を受けた場合はマイナンバーカード機能にも最新の情報が記録されるため、この二度手間がなくなると説明しています。

一方で、特定在留カードは在留カードそのものでもあるため、常時携帯義務は変わりません。マイナ保険証・マイナ免許証としての利用も可能ですが、マイナ免許証を持つ人が交付を受けても免許情報は引き継がれず、運転免許センター等で記録手数料を払って改めて記録を受ける必要があります。

同時に始まった「新様式の在留カード等」

6月14日の変更は、一体化を希望する人だけの話ではありません。同じ日から、特定在留カード等ではない在留カード・特別永住者証明書も、券面記載事項を見直した新様式に切り替わりました。ただし以前の様式のカードも引き続き有効で、切り替える必要はないとされています。

券面の変化ははっきりしています。従来印字されていた「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」「交付年月日」は券面から外れ、今後はICチップにのみ記録されます。券面に残るのは氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留資格、在留期間の満了の日、在留カードの番号、有効期間の満了の日、就労制限の有無などです。マイナンバーは特定在留カードの裏面に記載され、新様式の在留カードには記載されません。

2026年6月13日までに交付されたカードでは16歳未満に顔写真を表示しませんでしたが、6月14日以降に交付するカードでは1歳以上の人にも表示されます。永住者と高度専門職2号の在留カードの有効期間も、「交付の日後7年」から「交付の日後の10回目(18歳未満は5回目)の誕生日まで」に変わりました。在留期間に定めのある人の有効期間は、引き続き在留期限までです。

券面から消えた項目は、入管庁が提供する「在留カード等読取アプリケーション」でICチップから読めます。ただし「交付年月日」は表示されず、「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」も2026年8月7日時点では表示されません。入管庁は令和8年(2026年)9月を目途に改修版を出す予定としており、それまでは在留期間を住民票で、許可年月日を同庁「在留カードとは?」ページの計算ツール(在留資格変更許可を受けた場合)で確認できるとしています。なお特定在留カードは、デジタル庁の「対面確認アプリ」(同時点でiOS版のみ)でも在留期間等を読み取れるとされています。

対象になる人と、「任意」であることの意味

申請できるのは、住民基本台帳に記録されている中長期在留者または特別永住者です。住民登録がない人は対象外で、短期滞在の旅行者も対象になりません。

入管庁は「マイナンバーカードの取得は任意であることと同様に、特定在留カード等の取得も任意」であり、引き続き2枚持つことも可能だと明記しています。

すでにマイナンバーカードを持っている人の利点は、市区町村へ出向く手間が消えることです。持っていない人にとっては、特定在留カードの交付がマイナンバーカードの機能を初めて手にする経路になります。この場合は申請時に暗証番号の設定が必要で、署名用電子証明書は15歳未満には原則として発行されません。

どこで申請するか — 単独申請もオンライン申請もできない

特定在留カード等の交付申請は、単独では行えません。既存の申請・届出と併せて行う形式で、同時に行う手続きの種類によって、窓口が地方出入国在留管理官署か市区町村かに分かれます。以下は特定在留カード(中長期在留者)の場合です。

オンラインでも申請できません。入管庁は、在留申請オンラインシステムを利用する場合は当面のあいだ特定在留カード交付申請を受け付けられないとしており、希望する場合は在留諸申請そのものも窓口で行う必要があります。

空港では交付されません。新規上陸のときに空港で交付されるのは在留カードです(交付している空港は新千歳・仙台・成田・羽田・中部・関西・神戸・広島・福岡・那覇)。

日本で生まれた子どもについて、出生届と同時に申請することもできません。在留資格取得許可申請では併願が認められず在留カードが交付されますが、その交付を受けた当日中に交換希望による再交付申請と併せて申請する場合、手数料は不要とされています。

  • 地方出入国在留管理官署(住居地の管轄)で申請できるのは、住居地以外の在留カード記載事項の変更届出、有効期間の更新申請、汚損等または交換希望による再交付申請、在留期間更新許可申請、在留資格変更許可申請、永住許可申請と併せて行う場合
  • 住居地の市区町村の担当窓口で申請できるのは、新規上陸後の住居地届出、在留資格変更等に伴う住居地の届出、住居地の変更届出と併せて行う場合
  • 特別永住者が申請する特定特別永住者証明書は、記載事項の変更届出・有効期間の更新申請・各種再交付申請・住居地の届出のいずれも住居地の市区町村の担当窓口。地方出入国在留管理官署で申請するのは、別表第二の在留資格から特別永住許可申請を行う場合のみ
  • 今持っているカードを切り替えることだけが目的なら、地方出入国在留管理局で交換希望による在留カードの再交付申請と併せて交付申請を行う
  • 地方出入国在留管理局での受付は、運用開始の翌開庁日である2026年6月15日(月)から始まっている

必要書類

以下は2026年8月7日時点の出入国在留管理庁の公式案内です。同時に行う申請・届出に必要な書類は、これとは別に用意します。

受け取りは、市区町村で申請する場合に限り、一定の要件に該当する人が「直送」(住居地への郵送で交付を受ける方法)を申し出られます。地方出入国在留管理官署での申請ではできません。

  • 特定在留カード等交付申請書(申請先が地方入管か市区町村かで様式が異なり、入れ替えて使うことはできません)
  • 暗証番号設定依頼書(地方入管で申請する場合は入管庁のWebページで暗証番号を入力するとバーコードが生成され、それを印刷して提出。同庁はGoogle ChromeまたはMicrosoft Edgeで開くよう案内。市区町村では窓口で配布)
  • 写真1葉(本人のみ・無帽・正面・背景と影がない・鮮明・申請の日前6か月以内に撮影。交付時点で1歳未満と見込まれる場合は提出不要)
  • 旅券の提示(提示できない場合は理由書)と在留カードの提示

手数料と、交付までにかかる時間

手数料は、2026年6月14日以降の最初の手続き時に特定在留カードの交付を受ける場合、原則として不要です。必要になる場合は2種類あり、在留カードの機能に係る分として入管庁へ1,900円(直送の場合は2,600円)、マイナンバーカードの機能に係る分として地方公共団体情報システム機構(J-LIS)へ600円、電子証明書の発行を受ける場合は800円です。いずれも2026年8月7日時点の公表額です。

この扱いは動いています。入管庁のページには、永住許可申請と併せて交付申請を行い、交付時点で2026年6月13日までに交付された在留カードを所持している場合について、2026年8月7日からJ-LIS手数料も不要になったという注記が加わりました。

入管庁は、申請から交付まで最短でも2週間前後を要し、通常の在留カードより10日ほど長くかかるとしています。即日交付はありません。

電子証明書には空白期間があります。入管庁は、すでに持っているマイナンバーカードまたは特定在留カードの電子証明書が、特定在留カードの交付を受ける1週間程度前に失効すると説明しています。これに伴いマイナ保険証等の使用に影響が生じる可能性があるとされており、通院の予定と重ねないほうが無難です。

取得したあとに続く手続きと、紛失したときの動き

申請しても必ず特定在留カードが交付されるとは限りません。入管庁が主な例として挙げているのは、申請後に氏名が変更されたとき、市区町村で申請した場合に交付を受けるまでに転居したとき、在留資格変更または在留期間更新の申請と併せて申請した場合で審査終了時点の特例期間満了日まで1か月未満のときです。

一度取れば自動で続くわけでもありません。入管庁は、有効期間の満了等に伴う手続きの際に改めて交付申請を行わなければ、在留カード等が交付されるとしています。またマイナンバーカード機能の有効期間の満了日は本来の在留期間の満了日までで、審査が終わらず特例期間に入る場合は、その満了日までに市区町村で有効期間の変更手続きを行わないと、利用者証明用電子証明書が失効しマイナ保険証として使えなくなる可能性があります。

紛失したときは、1枚になっている分だけ手続きが2系統になります。マイナンバーカード総合サイトによれば、マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178、音声ガイダンス2番)が紛失・盗難による一時利用停止を24時間365日受け付けています。在留カードについては、まず最寄りの警察に届け出たうえで、住居地を管轄する地方出入国在留管理局で紛失による再交付申請を行います。このとき交付されるのは通常の在留カードです。特別永住者の場合は市区町村の窓口で紛失による特別永住者証明書の再交付申請を行い、その際に特定特別永住者証明書の交付申請を併せて行えます。

自分のケースをどう判断し、どこに確認するか

以下は入管庁の公表内容から導ける確認項目であり、個別の可否を保証するものではありません。

手数料の要否は表で細かく場合分けされ、2026年8月7日にも一部が改定されています。断定する前に、出入国在留管理庁の「特定在留カード交付申請について」、特別永住者は「特定特別永住者証明書交付申請について」で該当する行を確認してください。

在留手続き全般は、外国人在留総合インフォメーションセンター(0570-013904、IP電話・海外からは03-5796-7112)が平日8時30分から17時15分まで、日本語・英語・中国語・韓国語・スペイン語・ポルトガル語・ベトナム語・ネパール語・タイ語・ミャンマー語・シンハラ語で対応しています。マイナンバーカード機能側は、紛失・盗難による一時利用停止ならマイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178、音声ガイダンス2番)が24時間365日、英語・中国語・韓国語・スペイン語・ポルトガル語で受け付けます。それ以外の多言語対応は回線が分かれ、カード・一時利用停止は0120-0178-27、マイナンバー制度やマイナポータルは0120-0178-26で、対応言語と受付時間は回線ごとに異なります(2026年8月7日時点)。住居地や在留資格に関わる個別の判断は、住居地を管轄する地方出入国在留管理局または居住する市区町村に確認してください。

  • 次に入管の窓口へ行く手続き(在留期間更新・在留資格変更・永住許可など)の予定があるか。あればその機会に併せて申請する
  • 在留申請をオンラインで済ませたいか。優先するなら当面は見送ることになる
  • マイナ保険証を日常的に使っているか。交付の1週間程度前に電子証明書が失効するため、通院の予定と重ならない時期を選ぶ
  • マイナ免許証に免許情報を記録しているか。切り替えても引き継がれず、再記録が必要になる
  • 在留期限までの余裕があるか。審査終了時点で特例期間満了日まで1か月未満だと通常の在留カードになることがある

参考・出典